2003年7月25日発売 ライブメドレー含む全13曲
シャローム : shalom (ヘブライ語で「平和」の意)
サラーム : salaam (アラビア語で「平和」の意)
戦場から、ゲットーから、バビロンから、うたは自由をめざす!
戦闘的に非戦をうたうソウル・フラワーのスイングゲリラ宣言!
スカ、ファンキーソウル、トラッド、ゴスペル、レゲエ、ジャズetc…、
解放の為の8つの方法。
このアルバムを世界中の平和を希求する魂の連帯に捧げる
ソウル・フラワー・ユニオン
2003年7月25日発売
品番:bmcd-1005(SF-065)
定価:¥1,905 (tax out) / ¥2,000 (tax in)
発売元:BMtunes
〒151-0051
東京都渋谷区千駄ヶ谷1-20-1 #405 ブレスト音楽出版 内
tel: 03-3402-5845 / fax: 03-5770-7442
[→魂花ストア:通信販売]
『シャローム・サラーム』。
SHALOMはヘブライ語、SALAAMはアラビア語で、それぞれ「平和」を意味する言葉だ。
ソウル・フラワー・ユニオンは1993年の結成以来、一貫して音楽を通じて非戦を訴え
てきた。しかし今回の内容はタイトルからも窺えるように、かつてなかったほどに諧
謔的なレトリックを廃し、鮮明にストレートにメッセージを伝えるものになっている。
いついつまでも愛される音楽を作りたい。ミュージシャンがそんな欲望を抱くのは、
ごく当たり前のことだろう。しかし「今だからこそ」放たれねばならぬ想いもそれに
劣らず重要だ。いやむしろ生身の人間が生臭さを抱えたまま、時空を超えた説得力の
ある作品を生み出すためには、今生きているこの瞬間に対し、ズバッと開かれていな
ければならないのではないか?
日毎にきな臭さを増してきた今のご時世では、にわか軍事評論家じみた小賢しいも
の言いで天下国家談義に淫することはたやすい。だがだからこそ、今回の彼らはいて
もたってもいられずに、あえてベタに「平和」「非戦」を訴えているのだ。彼らの態
度は、戦闘的なまでにきっぱりとしている。仮に今のあなたがどんなに浮かれていよ
うと、あるいはどんなに鬱々とした心境であろうと、本作の音と言葉には、聴く者を
踊るアホへと変えずにおかないだろう。本作に獰猛なまでに満ちあふれている「生き
る悦び「快楽」こそが、「平和」「非戦」への原動力なのだ。
もちろんその「快楽」とは、歴史の歪みの上にあぐらをかいた独善的で排他的な
「快楽」ではない。歴史の歪みを解きほぐせずにはいられない欲望、未来への希望と
一体になったオープンな「快楽」である。
これまでも在日コリアン、沖縄、アイヌ、アイリッシュとの出会いをサウンドに刻
み込んできたソウル・フラワーの姿勢には、かつての宗主国イギリスに生まれ、ジャ
マイカ系移民との連携を通じてレゲエに接近していったクラッシュのジョー・ストラ
マーと通じるものがあったが、本作のレゲエ・メドレーには、まさにジョーの発想を
受け継ぎ、発展させていこうという意志が込められている。
ちなみにそのメドレーのしょっぱなの<バンクロバー>は、昨年夏に朝霧で邂逅を
果たしたソウル・フラワーに、あたかもバトンを託すかのように急逝してしまったジ
ョーへの追悼の想いを込めたクラッシュのカヴァーである。
ビートルズに代表される英米中心の音楽への愛情を持ちつつ、イラク、パレスチナ、
アイルランド、東ティモール、ジャマイカ、朝鮮半島といった諸々の辺境の現場で、
平和を希求する魂への連帯を音楽で表明するソウル・フラワーは、歴史の歪みを音楽
で解きほぐすR&R整体師だ。最近どうも歴史の凝りに悩まされているあなたへ、
「戦闘的」にお薦めしたい一枚である。
志田歩
[志田氏ウェブサイト] |