Produced by Nakagawa Takashi
Musicians :
Nakagawa Takashi 中川敬 : Lead Vocal, Electric Guitar, Sanshin 三線
Okuno Shinya 奥野真哉 : Organ, Piano, Synthesizer, Backing Vocal
Ito Koki 伊藤孝喜 : Drums, Percussion
Jigen ジゲン : Bass Guitar, Backing Vocal
Takagi Katsu 高木克 : Electric Guitar, Bouzouki, Backing Vocal
Kamimura Mihoco 上村美保子 : Backing Vocal & Hayashi 囃子
Itami Hideko 伊丹英子 : Sanba 三板
Kawamura Hiroshi 河村博司 : Electric Guitar (M-4,6,7), Backing Vocal (M-4,6,7)
Rikuo リクオ : Piano (M-2,4), Rhodes(M-3), Backing Vocal (M-4)
Mizalito ミザリート : Percussion (M-1,2,3,8,9)
Black Bottom Brass Band ブラック・ボトム・ブラス・バンド (Koo, Yassy, Iggy) : Horns (M-1,4,8,9)
Akagi Rie 赤木りえ : Flute (M-1,8,9)
Matsui Ayumi 松井亜由美 : Fiddle (M-1,8,9)
Umezu Kazutoki 梅津和時 : Sax (M-2)
Kaneko Asuka 金子飛鳥 : Fiddle (M-4)
2010年ソウル・フラワー・ユニオンのシングル第一弾! 00年代やらとあまり好きでない括りかたもされていた10年が終わった年の元旦にソウル・フラワー・ユニオンの新作が聴けるとは実に嬉しいし、めでたい!
表題曲のスタジオ新録新曲<アクア・ヴィテ>は、スタイル・カウンシル風なフルートも興味深い、包み込むようなミドルテンポの大らかな曲。"アクア・ヴィテ"とはラテン語で"生命の水"の意味である。蒸溜酒の語源として知られ、この言葉が各国に翻訳される過程で呼び名が今の酒の呼び名になっていった(アイルランドとスコットランドではウシュク・ベーハーからウイスキー、ロシアではズィズネニャ・ワダからウオッカなど)。このことを知ると「君は何処にいるんだろう?/風と夢と喧騒にまぎれ/笑い泣きながら/孤独の闇の底で/いのちの水を浴びる」のサビがより奥深く感じられる。"笑い"という言葉もニューエスト・モデル<雑種天国>の「何処となく/笑えない場所ばかり」や、<乳母車と棺桶>の「笑いとばせるけど/あんた片足づつ乳母車と棺桶に入れてる」などのように中川敬の歌詞には使われることがよくある。生活者の喜怒哀楽を綴ってきた中川の一貫性が感じられ、聴き続けてきたファンにはいろいろな想いを呼び起こすだろう。
続く2曲は09年に亡くなった偉大なミュージシャン、忌野清志郎とマイケル・ジャクソンへの追悼カヴァーである。共にライヴでは披露されていたが、まずはRCサクセションの<ぼくの好きな先生>。清志郎の盟友である梅津和時、またソウル・フラワーではお馴染み、清志郎と共作経験もあるリクオをゲストに迎え、軽快なレゲエに仕上げている。次の3曲目は、ライヴでは中川による「キング・オブ・ポップ!」のMCから始まるや一同驚きに包まれたインスト・カヴァーで、ソウル・フラワーには珍しい爽快なフュージョン・サウンドに仕上がっている。
<閃光花火>は09年発表のアルバム『カンテ・ディアスポラ』収録曲で、ライヴ共演も記憶に新しい曽我部恵一が手掛けるという驚きのリミックス("曽我部恵一の線上ダブ盆唄編"と名付けられている)。曲への愛情が溢れながらも実にクールなリミックスで、エイドリアン・シャーウッドのリミックスを思い出した。
そしてシングル盤恒例のライヴ・テイクも、<潮の路><日食の街>は中川のソロユニットのソウルシャリスト・エスケイプ、<もっともそうな2人の沸点>はニューエスト・モデルの曲と、レアなライヴ・テイクで構成。そのうえ、<アクア・ヴィテ>のモノラル・ミックスとインストのヴァージョン違い(モノラル・ミックスは最近発売されたザ・ビートルズBoxのモノラル・ミックス盤のように細部を堪能してほしい)が収録されている至れり尽くせりぶりで、「バンド史上最高の豪華さを誇る」と報じられていたのも納得の大充実盤である。今後のソウル・フラワーのさらなる快進撃を予感させるマスト盤である!