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Marines Go Home 辺野古・梅香里・矢臼別
  (2006年 日本)
  監督: 藤本幸久
  英題: Marines Go Home
  主要舞台: 沖縄

  去年(2006年)8月13日に沖縄・那覇Club MNDで開催された『つづら折りの宴 presents WORLD MUSIC WORLD PEACE』のとき、ステージ袖で上映していたドキュメンタリー・フィルムがまさに本作。「米軍の庭」と化した極東アジアの、とりわけその「やりたい放題」を象徴する、沖縄・辺野古、韓国・梅香里(メヒャンニ)、北海道・矢臼別での、人々の非暴力闘争の記録だ。

  矢臼別の陸上自衛隊基地の原野のど真ん中に四十年以上、立ち退きを拒否して暮らし続け、牧舎の屋根に「自衛隊は憲法違反」と大きく書き記す川瀬氾二さん。梅香里の干潟で米軍実弾射爆場反対闘争を粘り強く展開するチョン・マンギュさん。そして、日米政府が目論む海上基地建設から辺野古の海を守るべく、座り込みを続け、ボーリング調査阻止行動を続ける人々……。本作は、平和を希求する人々の強い意志、その暮らし、そしてそこで展開される米軍基地(日米政府)の酷い実態をレポートしてくれる、渾身の長編ドキュメンタリーである。
  例えば矢臼別。1997年から毎年、沖縄の米海兵隊が演習にやって来るのだが、大自然に囲まれた静かで平和なはずの原野に響き渡る爆音は、イラクの戦場を想起させる。
  例えば梅香里。浜から臨むノン島射爆場では米軍機の撃ち込むナパーム弾が島を抉り続け、その惨状に、梅香里の住民は、イラクの戦場を思い、胸を痛める。
  そして本作、米軍ヘリコプター基地建設に反対する辺野古の座り込み闘争、2004年9月から始まったボーリング調査阻止行動を、大きくクローズアップする。時まさに、沖縄の米海兵隊がイラク・ファルージャで住民を大量虐殺している真っ只中。決してここに基地を作らせない、という思いは、決してここからイラク(や他の戦場)へ子供達を殺しに行かせる訳にはいかない、という強い意志に繋がっている。
  「反基地闘争」と一言で片付けるなかれ。辺野古の海上阻止行動は、共に生きる人間同士が尊厳をもってして平和に暮らそうとする、いわば当たり前の営みなのである(「当たり前」と書いたが、この少人数で敢行される海上阻止行動はあまりに苛烈である。我々一人ひとりが今後「辺野古」とどう繋がるのか、人殺しを実行している在日米軍との関わりをどう切り結ぶのか、今まさに問われているのはそこではないか)。
  海上阻止行動の中、イラクの子供達へ薬を持ってゆく活動を続けていた牧師・平良夏芽さんは言う。「私達は、本当は、今年度、もう一度か二度、イラクへ行く予定だったんですけれども、自分達の島から人殺しに出て行っている軍隊の、その基地が、増設されようとしている、そのことを止めないで、のこのこイラクへ行くことが許されるだろうか。やっぱりイラクの子供達に、あなた達を殺す基地の建設を止めてきたと、そして、その上で、でも今まで申し訳なかったって言って、薬を持って行かなきゃいけないと思っています」
  政府の公報に堕した本土マスコミは、辺野古の米軍基地建設を「普天間基地移設」と言い換え、ひたすら事実を捩じ曲げ、誤摩化し続けている(辺野古の基地計画は1966年に始まっている!)。辺野古の美しい海を埋め立てて作られようとしているのは、ヘリコプター基地どころではない、新たな殺戮の場を欲する、東洋一の巨大な軍港である。
  作中、海上の平良悦美さんは言う。「部分的には完全阻止はしているよ。けれども総体としての阻止は、この海の上では無理だっていうこと、よく分かります。でもね、12月までに64本のボーリングの予定だったんでしょ、彼らは。でも、1本もやらせてないでしょ。だからね、私達に出来ることは、彼らを困らせて、作業がスムーズに進まないように、少しでも、少しでも遅らせていくための闘い、それだろうと思っている。分をわきまえているっていうかな。その間に日本中、世界中が動いているじゃないですか。そんなふうにさ、世界中、日本中、沖縄中の心ある人達が動いている、そのための時間作り、が私達の、海の上の役割だと思ってる。だから、休めないの。休みたいけど」
  もはやこれは、歴史的「沖縄問題」でも政治力学的「軍事問題」でもない。人間の未来、尊厳を賭けた、我々一人ひとりの問題なのだ。
  マリーンズ・ゴー・ホーム! 世界中のいかなる場所にも基地はいらない!

  追記:2007年2月24&25日、辺野古のビーチで音楽イベント『ピースミュージックフェスタ!辺野古'07〜わったーしまは、わったーがまもる』を開催します。辺野古で逢いましょう!

  以下、関連サイト。
 ■『Marines Go Home』公式サイト:http://www.hayaokidori.squares.net/marines_go_home/
 ■平良夏芽HP:http://www.asahi-net.or.jp/~qg2n-tir/frame5397.html
 ■平良夏芽はかく語りき:http://dr-stonefly.at.webry.info/200610/article_5.html
 ■海で暮らす抵抗(阿部小涼):http://www5b.biglobe.ne.jp/~WHOYOU/abksz0509.htm
 ■NO BASE〜ジュゴンの海に基地はいらない:http://sea.ap.teacup.com/henoko2/
 ■ジュゴンの家(辺野古関連リンク):http://www47.tok2.com/home/dugong/index.html
 ■合意してないプロジェクト:http://disagree.okinawaforum.org/