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カトリック国のアイルランドが長年、教会の厳格な性道徳教義によって、堕胎はおろか婚前交渉さえ罪とされてきたことは、広く知られているところだ。国民投票によって、憲法上非合法の人工中絶が、一定条件下での海外での手術なら許されるようになったのもつい最近、1992年のこと。離婚に至っては、1995年の国民投票で、しかも僅差で認められたところである(1990年のメアリー・ロビンソン女性大統領の誕生が大きい。就任後四年目の支持率は、なんと97パーセント!)。 自らを「絶対善」とする傲慢さが、愚劣な行為を正当化してゆく恐るべき権力の堕落、腐敗。本作『マグダレンの祈り』は、カトリック教会という「聖なる」絶対的権威によって迫害された女達の、悲痛な心の叫びである。 |
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ケン・ローチ監督『リフ・ラフ』『マイ・ネーム・イズ・ジョー』で知られる名優ピーター・ミュランは、マグダレン修道院に収容されていた女達の証言をまとめたテレビ・ドキュメンタリー『マグダレン修道院の真実』(本作DVDに特典収録)で衝撃的な実態を知り、実際の証言に基づき本作の脚本・制作に取り組んだ(監督自ら、収容者の父親役でワンシーンのみ出演)。 舞台は1964年のアイルランド。冒頭、結婚パーティーで歌われる唄は、近親相姦で出産した女性を歌ったトラッド <THE WELL BELOW THE VALLEY(谷間の井戸)> である。 ヴェネチア映画祭(金獅子賞)での公開当初、カトリックの総本山ヴァチカンを大激怒させた本作であったが、次々と明るみにされてゆく事実を前にしても、いまだにマグダレン修道院側は、謝罪・賠償金はおろか、迫害・虐待の事実すら認めようとしないのである。その恥ずべき愚かな姿は、醜怪なる権力そのものだ。 ちなみに97年、この恐るべきカトリック教会の実態に強く憤ったジョニ・ミッチェルは、 <THE MAGDALENE LAUNDRIES> (アルバム『風のインディゴ』、『ティアーズ・オブ・ストーン/ザ・チーフタンズ』に収録)に思いをぶつけている。 |
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