ペニーアーケードの年

1991 Por supuesto! STAP-0101 ¥2,800 (Tax in)

 1 ペニーアーケードの年
 2 
Knock! Knock! Knock!
 3 
Graceland
 4 
僕のせいじゃない
 5 
Dear, 1984年の僕
 6 プロテストソング (instrumental)
 7 
日曜日のミツバチ
 8 
でもそれはこわれやすい
 9 
そこは君の場所ではない
10 丘の人、森の人 (instrumental)
11 
君がいなくなると淋しくなるよ
12 
April Rain 

 



 

ペニーアーケードの年
 

雲が晴れるように
少しづつは わかってはきたんだ
夜はいつも長く 朝はいつもはかないものだと

お気に入りのシャツを着て 靴ひも結んだなら
かかとを鳴らして 歩きだそう

今も思い出すよ あの7歳のむし暑い誕生日
僕はティーカップの中
何にだってなれる気がした

とっくにさびれ果ててて がっかりするだろうけど
君を連れてくよ今度

光と影 あの夏の日の ペニーアーケード
埃まみれ 悲しく揺れる メリーゴーランド
もう二度と僕は あの頃へは戻れない
戻らない

お気に入りのシャツを着て 靴ひも結んだなら
かかとを鳴らして 歩きだそう

光と影 あの夏の日の ペニーアーケード
埃まみれ 悲しく揺れる メリーゴーランド
もう二度と僕は あの頃へは戻れない
戻らない


 


 

Knock! Knock! Knock!
 

夜明け近く 水晶が降り積もる
これが夢じゃなきゃいいんだけど
あわてて闇は逃げるように消えて行く
いつか見たことのある影と

世界にツバを吐きながら
心の波打ち際のところで
重い扉を僕はたたきつづける

ねぇ、そんなこと みんな、なぜ楽しいの?
少しもおもしろくなんかないよ
今日も なんか 4日目の転校生
僕は また ひとりぼっちなんだね

世界が椅子を引く時
遥か虹のふもとめざして
きっと君や勇気も とまどいながら

車が通り 急カーブ ハネをあげて
風や土をキラキラさせる
子供たちの言う通り それは夢で
僕も大人にはなりたいけど

世界にツバを吐きながら
心の波打ち際のところで
重い扉を僕は Knock! Knock! Knock!


 


 

Graceland
 

5月になれば 君と出かけるんだ
夏の服を着て 光の降る場所へ

いつの日からか失くしてた
結び目を捜そう

僕と君の Graceland
いつも夢みてた Quiet life
もう一度見つけよう

何もないよ 虚ろな毎日だ
同じことを うまくこなしていかなきゃ

希望のない この世界の果て
君と暮らしていきたい


 


 

僕のせいじゃない
 

市役所の12時の鐘の途中 青い壜
買ったばかりのバス・フォーム 道に落として割った
ドイツ人のくしゃみのような口笛
それはブローティガンの深いため息に似て

フラミンゴも眠る真夜中
確かに言えるのは
何もかも全部僕のせいじゃない

東の風強いけど 明日の土曜日
遊園地中のペチコート ひるがえるほどでもなく
やらなきゃならないことの すべてがヤなこと
ジャンヌ・ダルクが言ったかどうか

冷蔵庫も凍る真夜中
確かに言えるのは
何もかも全部僕のせいじゃない

狂おしく豊かな日々に
NO NO NO NO 僕はだまされない
大切な LOVE LOVE LOVE
それでも よくはわからない
確かに言えるのは
何もかも全部僕のせいじゃない


 


 

Dear,1984 年の僕
 

親愛なる僕よ 元気かい
このところ めっきりと寒くなったね
僕は今 週に8日働いてて
長いこと君のことも忘れてた

君にあいたくて 僕は手紙を出す
晴れた日曜の朝に ポストに出しに行こう

親愛なる僕よ 許してほしい
少しづつ 風向きが悪くなってる
もう君の顔も 思い出せないよ
時々は 声くらい聞かせてよ

地下鉄が延びて ほんの近くまで来た
時は流れに流れて 変わるべき時が来た

何度出してみても この部屋に届く
あの頃の僕は今の僕とは違うのに

それでも
君にあいたくて 僕は手紙を出す
晴れた日曜の朝に ポストに出しに行こう


 


 

日曜日のミツバチ
 

ひどくありふれた日曜日
何もとりたててすることもない
まるで羽根のないミツバチ 6月の雲の下
こうして空をぽつんと見てたら

くだらない仕事の谷間の Holiday
僕はいつまでここにいるの

どこにも行かない 何もよくならない
誰かがどこかで風をとじこめている

錆びた観覧者のように
世界はぎこちなく回るよ
遠く夢のある国では まだ陽も昇らない
それでも僕らより ずっとマシさ

生まれたときから すべてを失くしている
僕はいつでも 淀みの中

どこにも行かない 少しもよくならない
誰かがどこかで河をせき止めている

ひどくありふれた日曜日
何もとりたててすることもない
丘を登ったところで 菜の花は咲いていない
誰もがそれくらいわかっているはずさ

パンの袋かかえ 自転車とばして
曇る光にまみれながら

どこにも行かない 少しもよくならない
こうして 虚ろに空を今日もただ
この空を明日もただ
この空を眺めつづけよう


 


 

でも それは こわれやすい
 

君の大切な宝物
懐中時計のオルゴール
古くてなつかしい音

君は気づくだろう
長い迷路の果て
やがて気づくだろう
暗く長い迷路の果て

でも それは こわれやすい
でも それは とてもこわれやすい
本当に 残念だけれど

君のいとおしい女の子
張り裂けんばかりの気持ち
新しい景色の日々

君は気づくだろう
長い迷路の果て
やがて気づくだろう
暗く長い迷路の果て

でも それは こわれやすい
でも それは とてもこわれやすい
本当に 残念だけれど

君の声は 誰にも響かない
ひどく年老いてしまった
曲り角のところで
目を閉じて歌う La La La

でも それは こわれやすい
でも それは とてもこわれやすい
本当に 残念だけれど


 


 

そこは君の場所ではない
 

ユウウツが今日もやって来る
似合わない赤いスカートをはいて
午後2時前のキッチンテーブル
いら立つことも 君は選べない

ユウウツが今日もやって来る
こんな雨の中 傘も持たずに
午前3時のバックシートで
眠りにつく 君は今も

ねぇ そこは君のたどりつくべき場所ではない
A Place In The Darkness


 


 

君がいなくなると淋しくなるよ
 

萌え生ゆる木々のざわめき
つば広帽子 ひらり 風に舞い
雨あがり 君がいつも
濡れたクローバー集めたこの道

マーマレードの雲に映る君の純真
僕が今日のこといつかは 忘れても

金色の霧の中へ
月はまだ影のように薄くて
鳴る鐘の響きに僕は
救いのない祈りをささげる

空を塗り込めていく闇のブルーは
僕らの叫ぶ声より青いから

憎しみと 罪と 死を従え
やがて夜が僕らを捉えるだろう

マーマレードの雲に映る君の純真
僕が今日のこといつかは 忘れても





 

April Rain
 

古い街並を抜けて 君の窓へ
白い花束をので 坂道をとばしてく

春めいてゆく広場を行き交う人
表通りの埃の中に 雨の匂いが

3日続いてた暖かな陽差しは
いまにも泣き出しそうな厚い雲の向こう側

急がなくちゃね ペダルを踏み込んだら
おろしたての帽子に ポツリと 雨が 雨が

Rain come 灰色の舗道に
Rain come 緑の街路樹や車に
いろいろなやっかいごとやなんかを
洗い流すといいのに

時をすべるような 風に吹かれながら
君はベランダで 空を見上げている頃

眠れない夜 いくつもかぞえたけど
2度目の Birthday そして今年も 雨が 雨が

Rain come 灰色の舗道に
Rain come 緑の街路樹や車に
いろいろなやっかいごとやなんかを
洗い流すといいのに